安全にレジスタンストレーニングを行うために②
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
今回はレジスタンストレーニングを安全に行うために、背部の場合について書きます。
人は直立し、脊椎は柔らかな椎間板を挟んで積み重なった形態をとっています。
立位や座位、歩行時などに椎間板は圧迫され、
ものを持ち上げる動作の時などは圧迫力はさらに増加します。
また背部には大きな負荷がかかりやすいため、傷害の多い部分になります。
では次にどうやって傷害予防を行えば良いかを紹介します。
スクワットやデットリフトなど背部の種目を行う際は、姿勢を気にしないといけません。
背中は少し反った姿勢で行う方が下背部の筋群が発揮できる力が大きいので、
背中が丸まらないように注意します。
また腰は、反りすぎても丸まり過ぎても椎間板への負荷が大きくなるので、
軽度全湾させた状態に保って行うのが重要です。
また椎間板の負荷を減らす上で腹腔内圧が重要で、
これが高い状態を作り出せるようになることも傷害予防には大切になります。
軽いウェイトなどで体幹を鍛えるもよし、
ウェイトトレーニングとは別で体幹トレーニングをして鍛えるもよし、
体幹の筋肉をつけて腹腔内圧を高い状態にできるようにしてくことが怪我の予防にもなりますし、パフォーマンスアップにも繋がります。
次回は方について書きますのでよければ参考にしてみてください。
安全にレジスタンストレーニングを行うために①
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
あらゆる身体活動と同じように、レジスタンストレーニングにも危険はあります。
しかし、多くのスポーツ競技やコンディショニングの方法と比較するとその危険性は低いです。
1000時間の実施による傷害発生率で見ても1番発生率が高いのがチーム協議で、
中間がランニングとエアロビクス、一番低いのがサイクリング、ウォーキング、ウェイトトレーニングでした。
ただし、一番低いからといってリスクマネジメントを疎かにしても良いかとなると、そうではありません。
ウォーミングアップやどういう動きを気をつけたら良いかなど、
しっかりとしたマネジメントが重要になってきます。
例えば背部に関してだと、背部の筋は力学的に有効性が低いために、
物を持ち上げるためには挙上する物体の重量を遥かに上回る力を発揮しないといけないので、
姿勢が悪かったりすると腰を痛めたりと怪我につながってしまいます。
なので次回からは特に痛めやすい背部、膝、肩ついて、
どのようにすれば怪我をする可能性を減らせるかを紹介し絵いきたいと思います。
活動後増強についてEnd
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
今回はPAP誘発にプライオメトリックエクササイズがどのような影響を与えるかについて書きます。
プライオメトリックエクササイズとは伸張と短縮サイクルを伴う運動で、素早い伸張性動作の後、
バリスティックな短縮動作が行われます。
代表的なものとして、ドロップジャンプやハードルジャンプなどがあります。
PAPのコンディショニングエクササイズとしてプライおメトリックエクササイズを行うと、
ジャンプやスプリント、投擲動作などに向上が見られます。
また子供を対象にした研究もされており、
ハイニースキップやハイニーランを中〜高強度で行うと、
シャトルランや垂直跳びの記録が向上すると出ています。
さらに高さ15センチからのドロップジャンプ×3を動的エクササイズに加えて実施すると、
走り幅跳びの記録がさらに向上したとあります。
またタイプⅡ筋繊維を選択的に動員するため、
フリーウェイトエクササイズより効果的であるとも言われています。
またフリーウェイトの挙上より疲労が少ないため、
誘発されるPAP効果が高くなるのと、
最大限の効果を得るのに必要な時間が少なくてすむとされています。
プライオメトリックエクササイズは特に器具を必要としないし、
複数の筋群を同時に刺激することができるのでPAPを誘発させるのには最適なエクササイズといえます。
またパフォーマンスの向上はエクササイズ直後の(20〜60秒)に発生します。
注意点を挙げるとすれば複数セットのプライオメトリックエクササイズを行うと、
長い回復時間が必要になってきます。
まとめとしては、誘発される効果はエクササイズごとに様々あり、それぞれに長所・短所があります。
トレーニングや競技によってPAPの誘発に最も適したエクササイズを選択することが大切になってきます。
活動後増強について⑤
あけましておめでとうございます。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
今回は等尺性エクササイズでのPAP誘発について書いていきます。
等尺性エクササイズは関節角度の変化がない筋の収縮活動です。
最大の力による3〜10秒の等尺性エクササイズはPAPの誘発によく利用されています。
等尺性エクササイズを行う際に注意が必要なのは、
あまり長い時間等尺性収縮を行うと、
回復量より疲労の方が勝ってしまいパフォーマンス向上につながらない場合があります。
なので、この等尺性エクササイズを行う場合は、
1レップ3〜5秒で3レップ、回復時間を1〜5分で行うことがPAP誘発に最も適していると言われています。
また競技特性に合わせてテスト動作の最も力が必要になるポジションでの関節角度で多関節を使ったエクササイズをすると良いです。
このエクササイズ方法はフリーウェイトなどの機材がない場合や場所に制限がある場合にオススメです。
しかし上半身の等尺性エクササイズがPAP誘発に効果があるかはまだ研究結果として出ていないので、
色々試みる必要があるかも知れませんね。
活動後増強について④
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
4回目の今回はコンディショニング活動で、
可変抵抗を用いたエクササイズを行う場合について書きます。
可変抵抗を用いるとはどういうことかというと、
チューブやエラスティックバンドなどを使い、
全可動域で最大筋力を発揮させることができるというものです。
例えばスクワットの場合、大腿四頭筋にかかる負荷は最下点で最大になり、最高点で最小になります。
ここにバンドやチェーンを用いることによって最上点でもそこにバンドやチェーンによる負荷が加わるため、
常に負荷をかけることができます。
このように一定の負荷ではなく、
挙上位置などでかかる負荷が変わることが可変抵抗になります。
スクワットの場合85%1RMで15%の可変抵抗で行うと、
立ち幅跳びの記録が4〜6%ほど向上したという研究結果があります。
また、可変抵抗を用いたエクササイズの良い点は、
これまでにお伝えしたエクササイズより、休憩時間が短くてすむということです。
同じ負荷でフリーウェイトで行った際は5分以上の休憩が必要となりますが、可変抵抗だと90秒で済みます。
なので、ただフリーウェイトを行うより、バンドなどで可変抵抗をフリーウェイトに加えた方が効果が高くなります。
また水泳や格闘技の特異的動作に可変負荷を加えてウォーミングアップを行うことでもPAP効果は出るという結果も出ていますが、
これはどの程度の負荷がPAP誘発に最適なのかはまだ出ていません。
もしウォーミングアップにフリーウェイトが使用できるなら可変負荷も加えて、
場所や環境が制限されてフリーウェイトが使えない場合や、
競技特異的動作を行いたい場合に可変負荷を用いると良いと思いますので、
コンディショニング活動としてうまく活用してください!
活動後増強について③
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
3回目の今回は前回にもお伝えしたように、スプリント系のコンディショニング活動について書きます。
スプリントパフォーマンスのコンディショニング活動としてスレッドプル/プッシュなど、
負荷をかけて行うスプリントを利用することがあります。
研究によると、自重の75%によるスレッドプッシュを1×15メートルを行うと20メートルのスプリントタイムが1〜2%向上したという結果が出ています。
逆に自重の125%のスレッドプッシュを1×9メートルを行わせると20メートルのスプリントタイムは低下しました。
同じくスレッドプッシュでも同じような結果になりました。
この結果から高重量のスレッドプッシュ/プルは無負荷でスプリントする際の前傾角度や股関節の角度を増加させるなど、
スプリントのテクニックを変化させ、機能的な加速を損なわせる可能性があるといえます。
また低負荷(自重の20〜30%)で行うとスプリントタイムは向上しないという結果が出ています。
以上のことから、自重の75%でスレッドプッシュ/プルを行うことがPAPの誘発に最適であるといえます。
しかし、この方法はフィールドや人工芝で行わないと床などを傷つけてしまうため、
コンディショニングを行える場所が限られているのが欠点です。
ラグビーや陸上競技などなら場所には問題ないと思いますので、
ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
活動後増強について②
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
前回から活動後増強(PAP)について書いていますが。
今回は前回にもお知らせしたように、
活動後増強のために行うエクササイズの長所や短所について書いていきたいと思います。
まずはフリーウェイトトレーニングです。
バーベルやダンベルなどのフリーウェイトでのエクササイズはPAPを誘発させるために行う最も一般的なコンディショニングです。
例えばデッドリフトやスクワットがありますが、
デッドリフトを85%1RMで4セット×2レップ、インターバルを90秒で実施すると、
立ち幅跳びのパフォーマンスは約4〜5%向上したという研究結果が出ています。
またスクワットは垂直跳びの一時的な能力向上を目的としてコンディショニングに取り入れられることが多いです。
また同じスクワットでもパラレルスクワットのように、
深く行うスクワットの方がより大臀筋を活性化させることができ、能力向上の値が大きくなります。
短所としては、
フリーウェイトで行う際はある程度の挙上テクニックが必要になること、
設備が必要であるということ、
挙上負荷や量、休息時間を間違えると逆に疲れが溜まってしまうことなどがあります。
みなさんもご自身でPAPを行うときは逆効果になってしまわないように注意してください。
次回はスプリント系のコンディショニングについて書こうと思いますのでお楽しみに!
漸減トレーニングについて②
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
筋トレを行うにあたって最大筋力を向上したいのか、
筋持久力を向上させたいかなど目的によって重量や回数を設定してトレーニングを行うことが一般的です。
筋力向上なら80%1RM、筋持久力ならだいたい30%1RMで行うことが基本なのですが、
この方法だと一度に筋力か持久力かどちらかしか向上させることができません。
しかし漸減トレーニングを行うことによってこのどちらも向上させることができるかつ、
トレーニング時間の短縮も可能になります。
ある研究では、
グループを80%1RM×3セット、30%1R M×3セット、80%〜30%まで負荷を漸減させていく3つのグループに分けて8週間で20回のトレーニングを行いました。
トレーニングの結果、全てのグループで筋肉の横断面積は増加し、1RMは80%と漸減トレーニングをしたグループが増加しました。
一方で30%RMでの反復回数は30%1RMと漸減のグループで有意に増加しました。
つまり、漸減トレーニングを行うと筋肥大と筋持久力、筋力が同時に向上するということになります。
さらにはセット間の休憩も他のトレーニングと違いほとんど取らないので時間短縮も可能です。
より筋力向上や筋持久力向上に特化する場合はさらに広い幅でトレーニングをする必要はあるかもしれませんが、
バランスよく効率的に鍛えるのであればこの漸減トレーニングは理にかなっていると思います!
また次回は漸減トレーニングの方法を詳しく紹介したいと思いますのでお楽しみに!
活動後増強について①
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
活動後増強(PAP)はコンディショニング活動後に筋パワーの発揮能力が高まることをさします。
筋のパワー発揮能力を一時的に向上させる効果があるため、
トレーニングや試合や競技会の前に行うことが多いです。
PAPはバリスティックな運動を行う前にコンディショニング活動として、
エクササイズを行い、その量や負荷休息時間をコントロールして誘発します。
PAPが起こるメカニズムとしては運動単位の増加、筋肉の羽状角変化などが考えられています。
このPAP効果を得るために行われている運動を挙げると、
最大強度またはそれに近い強度でのフリーウェイトの挙上、
プライオメトリックエクササイズなどがあります。
しかしPAPのためのコンディショニングエクササイズを行う場所などの環境要因によって、
エクササイズの方法や強度などは変化させる必要が出てくる場合もあります。
そういった時にコーチやトレーナーが最も適したエクササイズを処方する必要が出てきます。
次回からは各エクササイズの長所や短所などを紹介していきたいと思います!
漸減トレーニングについて①
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
今回からは漸減トレーニングについて書いていきたいと思います。
これまでは漸増トレーニングが主流の考え方だったと思いますが、
最近新たに漸減トレーニングに注目が集まっています。
初回の今回は漸減トレーニングとは何かを紹介したいと思います。
関節を介してエネルギーを生み出す筋肉の収縮力、
収縮のためのエネルギー供給能力の向上は運動のパフォーマンス向上に関係するとされます。
これらの項目を効率よくかつ効果的に鍛える方法として考案されたのが漸減トレーニングです。
ターゲットとする複数の体力要素を向上させるために必要とされる負荷などを設定し、
それを高い順から休みなく行うことによって短時間で向上させることができるのではないかという理論です。
実際に筋トレや有酸素運動のうようなエネルギー供給能力の向上に重点をおいたトレーニングにおいて、
仮説通りの結果が得られています。
漸減トレーニングは1セッションあたり数分間の運動で複数の要素を鍛えることが可能とされています。
このトレーニング理論が実証されて効果があるとなれば、
さらにトレーニング時間の短縮が可能となるので今後の研究に期待できますね!
次回からはより詳しく書いていきたいと思いますのでお楽しみに!
筋肉量増加に適したレジスタンストレーニングとタンパク質摂取⑥
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
今回が筋肉量増加に適したトレーニングとタンパク質摂取についての最終回になります。
最終回の今回は1日でどのくらいの量のタンパク質を取ればいいのかを説明します。
おさらいとして、筋肉の合成はタンパク質、
特にロイシンの濃度に依存するというのをお伝えしました。
ある研究では若年者の1度の食事で体重×0.24gのタンパク質を摂ると筋肉の合成速度が最大になるという結果が出ています。
1日のトータル摂取量で考えるのではなく、
各食事それぞれでしっかりと必要なタンパク質量を摂取することが重要になります。
また年齢が増すにつれて筋合成に必要なタンパク質は増加するのでその辺りも意識して食事することが大切です。
ただし過剰にタンパク質を摂ると使用されなかった分が脂肪として蓄えられるので、
とりすぎにもご注意ください。
筋肉量増加に適したレジスタンストレーニングとタンパク質摂取⑤
こんにちは。
スポーツ選手のコンディショニング兼パフォーマンスアップを担当しているトレーナーのマッチです。
5回目の今回は異なるタンパク質と同化作用について書いていきます。
タンパク質にも種類があり、
ホエイタンパク質とカゼインタンパク質という物があるのを聞いたことがあるかと思います。
こういったタンパク質をトレーニング後に摂取することによって筋タンパク質の合成量が増加します。
しかしタンパク質の摂取量が同じでも種類によって運動後の反応は異なってきます。
例を挙げると乳タンパク質は大豆タンパク質と比べて運動後の筋タンパク質の合成速度が高くなります。
これは乳タンパク質に含まれているロイシンの含有量の違いによるもの、
あるいはタンパク質の種類によって消化吸収される速度が違うことだと言われています。
同じタンパク質量でも乳タンパク質の方が大豆タンパク質に比べロイシンの含有量が多く、
大豆タンパクと比べて約17%高くなります。
これに対してカゼインタンパク質は胃酸により凝固・沈澱するため吸収する速度がゆっくりになります。
つまり就寝前やトレーニング間の持続的なタンパク質吸収にはカゼインの方が適しています。
以上のことから食事、
あるいはサプリメントとしてタンパク質を摂取するときはこういった消化吸収速度も意識しながら取ることが筋肉量増加への近道にもなります!